五感カフェ、マキ子です。
普段、美について語るときに「IDEA 」という言葉を使うようにしています。
古代ギリシア、ソクラテスの思想を継いで
「イデア論」を説いたのは哲学者・プラトン。
恐れ多くもわたしは、古の美的センスに心を動かされ
イデアという表現でクリエイティブワークをしているのです。
そのイデア論とはなにか?
わたしたちが生きる感覚的世界とは
別次元に存在する真実の世界であり、
そこには完全なる「美」そのものが存在する、それがIDEA。
現実世界では、なにひとつ決定的な美というものはなく、
すべての事物にIDEAが断片的に見え隠れするからこそ
美しいと認識されると、彼らは残しています。
プラトン曰く、
世界観では、人間の領域を超えた大いなる彼方に
美のイデアという揺るぎない正解があり、
その要素を多く持っていればそれだけ美しいとされるのですが・・・
そもそもなぜ人間は美しさを感じるのでしょうか?
プラトンがこのイデア論を説いて2000年以上。
世界はボーダーレスであり正解も解決法もなにも存在せず、
そこに意味さえも持たず、
これまで疑いようのなかったあらゆる境界線が揺らぐ
曖昧で複雑な時代にわたしたちの時間がある、と考えます。
「多様性」「ダイバーシティ」
という言葉が流行って幾年か過ぎましたね。
危うく、曖昧で、不確実な
既存の価値観や美意識が脆く崩れ落ちつつある世界で、
あらゆる美の可能性に取り囲まれて戸惑うわたしたちは
哲学者たちに想いを馳せて
イデアとは?と問いかけてみたくなるかもしれません。
人間の意識のはるか彼方に完全なる「美」そのものが存在する、
それは本当ですか?と。
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