̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

■   浄化とグラデーションの無限の世界

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「五感カフェ」maquicoです。

感覚派のあなたへぴったりな抽象表現としての《モノクローム写真》。

今回も引き続いレクチャーしてゆきたいと思います。

前回のおさらいをしたい方はこちら→

 

その前に・・・

なぜ、「浄活美人」でこのお話しをするのでしょうか?

 

普段、意識についてお伝えすることが多いわたしですが

そのベースになっているのは、やはり自然との一体感を伴うアート表現です。

わたちたち人間が持って生まれた能力

「感動する」「心を動かす」ことへ

ストレートな気持ちでいて欲しいという願いもこめています。

 

さらに、モノクローム写真のようなアート表現は

東洋思想でもある「陰陽」

シンプルを極めた「グレーのグラデーション美学」など

ものごとをニュートラルに感じ、見聞きする観点につながると考えるからです。

それは、わたしたち浄活美人がお伝えしている

「浄化」の思想ともリンクするのです。

 

この奥の深い白と黒が生み出す無限の世界をお楽しみいただけたら嬉しいです。

それでは、つづきをどうぞ

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

■   異質感が魅力のモノクロ

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

前回は、モノクロ写真の色の領域は「256の要素」しか使えないのに対し

カラーでは「1,677万要素」を使うことができるということをお話ししました。

 

これは、モノクロ写真が単に「白と黒の2階調」で

成り立っているのではなく、

幾重にも重なった《複雑で曖昧なグラデーション》で構成されている

「白から黒までの階調を美しくつないだ写真」を意味します。

 

つまり、わたしたち人間の眼で見た事象を

白と黒で表そうとするモノクロ写真は

「現実とはまったく異なる世界」を表現していると

イメージしているとしっくりくるかと思います。

 

わたしたちは日常、色彩と形状でモノを認識しています。

これに対し、モノクロの世界では「階調」だけで表現するのです。

その別世界のような異質感が魅力のモノクロ写真。

 

その上で、もしあなたが撮影者であれば、

この「異世界」になることを認識して撮れるかどうか?

を予測、想像し、その感性を試みる必要性があります。

この全体像をどうイメージできているかで

モノクロ作品のクオリティが随分と変わってくるということも事実です。

 

ですので、モノクロ写真の上質な作品や、

モノクロ写真が上手な方というのは

この異世界の眼を持って違いを認識しているということでもあります。

 

違いと言ってもとてもシンプルな法則です。

シンプルでごまかしができない表現だからこそ

白と黒だけの世界でも魅力的な表現ができます。

 

もっと言うと、モノクロ写真を撮るときに

カラー写真を撮るのと同じ感覚では充分に撮れない、

とわたしは考えています。

 

モノクロ写真を撮るときは「モノクロ世界の眼」に

自身を投げだすようなマインドが必須なのです。

 

では、いったいどんな写真が「モノクロ世界」なのでしょうか?

 

一言では表現することではないモノクロ世界、

ここでは、作例を交えながら具体的に説明してゆきます。

 

下の画像は、「色情報がないと成り立たないない写真」 の例です。

 

 

次に、上と同じアップルパイをモノクロで撮影したものを見てみましょう。

 

 

奥のイチゴらしきデザートが背景に埋没して一体何があるのか?

わかりにくい写真になっていますね。

 

色調も硬い雰囲気で、あまり美味しそうでなないし匂いもしてこない感じ。

つまり、魅力的ではない

では一体どうしたらいいでしょうか。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

■   常に光を読み、ひかりを意識する

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 

ここで少し撮影する時のお話しをします。

 

旅先のスナップや日常のちょっとした写真で

あなたの表現したいこと伝えようとするならば、

写真の「撮りやすさ」というのは伝えやすさにつながるとても大事な要素です。

 

まず、モノクロ写真では「光の向きと質」を意識しています。

たとえば、一方向の窓から光が差し込んでいるような、

光の向きを把握しやすい場面などが撮りやすいです。

 

これは、モノクロ世界の眼をコントロールする

光のある部分(白)とない部分(黒)の「輝度差」を

捕まえるよい環境になるかと思います。

 

簡単にいうと、明るい部分と暗い部分を

よく観察できる場面を意識すると良いでしょう。

 

一方向の窓の光の例で言えば、

窓際からその場所の奥の暗いトーンのエリアまで

白から黒までの連続した色調のつながりが生まれ、

そのグラデーションがモノクロ世界になります。

 

例えば、夕方に撮ったモノクロ写真が魅力的に写るのは

太陽が斜めから差し込んでいるときに生まれる光の方向性が

ドラマティックな陰影を作り出すからだといえます。

 

 

 

逆に、モノクロ写真を撮りにくかったり

向かない環境や被写体もあります。

 

それは、真昼間の光が降りそそぐ草原や

白っぽく反射している球体など

さまざまな方向から多くの光が集まっているような状況のとき。

 

また、室内のような限られた空間では

光が来る方向をコントロールしやすいことが多いです。

 

カフェやお花のテーブルフォトのように

撮影者が被写体を中心に動いたり、

光を読みながら露出を考えることで美しいモノクロ写真を撮りやすくなります。

 

このように光を読むことや、光の方向を意識することは

モノクロ写真を作るにあたってとても重要ポイントとなっています。

 

そして、この時の撮影者は自然に

「モノクロ世界の眼」と「光」に敏感になり

常にコントロールすることができているのです。

 

 

作例)光の方向と暗部を考慮し、右から画面左へと視線が移動する効果

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

■   ハイライト効果を考える

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 

ハイライトとは写真にする場面のもっとも明るい部分のことを指します。

モノクロなので白に近いことが多いです。

 

このことから、白黒のグラデーションで考えたときに一番明るいところを

「ハイエストライト」と言います。

ハイライトの効果を知ることでモノクロ写真の印象は

ぐっと洗練されるといってもいいでしょう。

 

それは、なぜでしょうか?

 

論理をご説明しますね。

わたしたち人間の眼は、写真を見るとまず「ハイエストライト」を見て

それから暗い部分へ視線を移動させていくという習性があります。

 

顔の部分では、「眼の白目の部分」「歯」がこれに当たります。

 

なので、これを利用すれば写真に奥行きや立体感を出したり

質感を伝えやすくなるということです。

 

さらに重要なことは、実は、この「白」がなければ

人間は眼を動かさないという生理学的な要素

モノクロを支配しているという点なのです。

 

 

 

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

■   ハイライト〜暗部への誘導

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 

ハイライトから視線を誘導する際に気をつけたいことがあります。

それは「ハイエストライト」から暗部までが急激に変化するのでなく、

徐々に変化して繊細さを保つこと。

これが洗練さや上質さ、質感を表す情報・条件となるからです。

 

すでにお伝えしたように、モノクロ写真の定義は

「白から黒までのグラデーションを美しく紡いだ写真

だということを忘れないでくださいね。

 

ここから例題を出してご説明します。

 

 

上の写真は、窓がハイエストライトです。

ここから急激に真っ黒な壁になっていて

背景の陰影がなくなっているのがわかりますね。

 

これは、コントラストが強すぎるため

ハイエストライトにも暗部にも情報がなくなっているためです。

一般的に、「黒つぶれ」、などとも言いますね。

 

よく見ると、手前のテーブルの上にグラスがあることで

なんとか室内や家具の雰囲気が掴めますが

それ以外はグラデーションがなく、

モノクロの狭いトーンで構成しているにすぎません。

 

もちろん、このように暗めでコントラスト強く

重たい印象に表現したければ別ですが

モノクロ表現としては、情報のない部分が画面の大半を占めてしまっているという

伝えたいことがわかりにくい写真として伝わるかもしれませんね。

 

 

「逆光の雰囲気を出して見たら真っ黒になっちゃっただけなんです」

「暗いイメージにしたかったんです!」

と思っても大丈夫。

 

このような情景写真は「暗い感じ」「逆光の雰囲気」など

伝えたいイメージは様々でいいのです

 

ですが、まず、あなたの撮影意図を反映するまえに

目の前の事象をニュートラルな目で見る

ことを意識してみて欲しいのです。

 

すると、上気したような「モノクロームの世界」で

光を捉えることができます。

 

コントラストが程よく美しいグラデーションを感じることができると同時に

記録元である「デジタル情報」をより多く取り入れられます。

 

ここでもう一度、「256の要素」を思い出してみましょう。

わたしたちの肉眼は、色彩と形状でモノを認識していますが

モノクロの世界では「階調」だけで表現していましたね。

 

より多くの「情報」を取り込んでいると後からデジジタル編集がしやすくなり

きめ細やかなグラデーションが再現できる、ということを

ぜひ覚えておいて欲しいのです。

 

下はデジジタル編集をして現像をし直したものです。

 

 

逆光で撮ると暗くなってしまう場合は上の写真のように

露出を明るめに調整してみましょう。

 

壁やテーブルのトーンを充分に引き出して

柔らかな陰影を細部までとどけてあげるイメージです。

 

細部まで意識したことにより、

真っ白なハイエストライトから真っ黒な暗部まで、

バリエーションのあるモノクロトーンが表現されましたね。

 

モノクロ写真表現の原点として、

こうして適正露出を出すことで、情景と形状を捉えることはとても大切です。

 

 

 

とはいえ、抑揚のない、またはコントラストがキツすぎるといったような

独特な作風も素晴らしい作品が多いですし

結局はそれぞれの好みと美学哲学によります。

それはそれでいいのです。

 

ですが、現実として「撮影者のテクニックが確立している場合を除いて」

白と黒の洗練されたグラデーションの豊かさを楽しむのが

本来のモノクロームの世界、だとわたしは思います。

 

というのも・・・・

ぶっちゃけ、単純な白と黒、だけで構成されているような

階調の豊かさが感じられないモノクロ写真は野暮ったいのです。

 

できれば美しく、心地よく、丁寧で調和とれた「絵」に触れていたい、

というのが誰しも本望ではないでしょうか。

 

では、野暮ったくない、

美しく丁寧で調和のとれたモノクロ写真を撮るには

なにを気をつければいいのでしょう?

 

長くなりましたのでつづきは次回にでも・・・・・

 

 

 

maquico kitagawa

拙著 IDEA Art Photography

「イデアを探して」amazon kindl版にて 発売中

 

 

浄活美人メルマガTRINITY」では

意識とアートについて深〜いお話をお伝えしています。