みなさま こんばんは。
ご愛読ありがとうございます。
リビングビューティーライフ研究家の
盛 加奈子(もり かなこ)です。
前回は、「幸福学」から、
幸せを感じるメカニズムについてお伝えしました。
幸福になるための4つの因子を自分で積極的に
高めていくヒントになったと思います。
では、具体的に行動を起こすことが大事ですので、
今回は、セロトニンに注目したいと思います。
日本人は、遺伝的にセロトニンの働きが弱いため、
幸せを感じにくく、うつになりやすいともいわれています。
セロトニンに効果的に機能してもらうために意識したいと思います。
セロトニンは、必須アミノ酸トリプトファンから
作られる脳内神経伝達物質の一つです。
ノルアドレナリンやドーパミンとともに
三大神経伝達物質とされています。
主な働きは、
- 喜びや快楽を司る「ドーパミン」
- 恐怖や興奮を司る「ノルアドレナリン」
うつ病が気分障害と言われるのも、セロトニンによる感情の制御が
できなくなってしまうからです。
セロトニンは精神を安定させることで幸福を感じやすくするため、
幸福ホルモンや幸せ物質と呼ばれることもあるのです。
さらに、セロトニンにはこの他にも以下のような働きや
作用をしています。
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セロトニンのはたらき
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①ストレスに強くなる
セロトニンが感情をコントロールすることで、嫌なことやショックな
ことがあっても怒りや悲しみなどのネガティブな気持ちを引きずらず
前向きな考え方にしてくれます。
また、衝動を抑制する働きもあり、ストレスから何かに依存するような
状態を防ぐ効果もあります。
②体内時計の調整
セロトニンは集中力を司る交感神経に作用して、
- 血圧
- 体温
を上昇させる働きをしています。
セロトニンがきちんと分泌されていると朝ちゃんと目が覚めて、
日中も活動できるのです。
また、セロトニンは寝ている間はほとんどまたは全く分泌されていません。
その変わりに分泌されるのが睡眠ホルモンとも呼ばれるメラトニン。
メラトニンがぐっすり眠れるように働きかけてくれるから、
寝ている間に心身ともに疲労リセットされて、翌朝スッキリ
起きられるようになるのです。
③体調不良の緩和
セロトニンには痛みを緩和する働きがあり、原因不明の
体調不良(不定愁訴)を緩和したり予防したりします。
どこも悪いところがないのに
- 片頭痛
- 腹痛
- 倦怠感
がするというような、困ったトラブルを無くしてくれるのです。
④記憶や学習能力をサポート
セロトニンは脳内で記憶や学習に関する働きをする海馬への作用もあります。覚えたいことを効率よく覚えられるように情報を取捨選択してくれるので、
仕事や勉強の効率アップにつながります。
また、セロトニンが十分に分泌されているとイライラや不安が緩和されるので、仕事や勉強に打ち込みやすい精神状態にもなります。
⑤アンチエイジング
セロトニンの働きとしてあまり知られていないのが、「抗重力筋」
という筋肉をサポートする働き。
抗重力筋とは、姿勢を支えるために重力に逆らう筋肉のこと。
背中や腰、お尻など様々な部分にある筋肉です。
また、顔の目の周りや頬にある筋肉も抗重力筋の1つです。
セロトニンが抗重力筋の力を増強させることで、スッと背筋の伸びた
姿勢や顔のたるみを予防するアンチエイジング効果が
期待できるのです。
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セロトニンが不足するとおこるトラブル
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①ストレスに弱くなる
セロトニンが不足するとまず起こるのが、ストレスに弱くなるという症状。
ささいなことでものすごく悲しくなっていつまでもクヨクヨしたり、
ちょっとしたことで怒りすぎるキレやすい状態になってしまいます。
また、感情を制御できずに不安定になっているため、まるで
ジェットコースターのように怒ったり泣いたりするような症状が
出ることもあります。
いわゆる抑うつ状態やヒステリーと呼ばれるような精神状態です。
②不眠または過眠りの症状がでる
睡眠ホルモンのメラトニンはセロトニンと対になるような物質です。
セロトニンが不足するとメラトニンも不足して眠りが浅くなったり、
眠たなくなってしまうのです。
また、イライラや不安感が強い状態が続くと嫌なことが頭から離れず
脳がフル回転している状態。
交感神経のスイッチが入って興奮状態になり、
なかなか眠れなくなります。
また、強い精神的ストレスがかかると脳は眠りで疲れを解消しようと
するため、セロトニン不足が長引けば寝ても寝ても眠い過眠の症状が
出ることもあります。
- なかなか寝付けない
- 寝ても短時間で目が覚めてしまう
- いくら寝ても眠い
- 眠りが浅くて寝た気がしない
などの睡眠に関するトラブルがある時はセロトニンが不足しているの
かもしれません。
③太りやすくなる
ストレスがたまっているとやけ食いしてしまうことってよくありますよね。
セロトニン不足はストレスがたまりやすい上に幸福感も得にくくなり、
やけ食いしたくなったり、食べても食べても満足できなくなりやすいのです。
また、睡眠不足は食欲増進ホルモン「グレリン」の分泌量を増やし
食欲抑制ホルモン「レプチン」を減少させます。
不安やイライラで眠れない日が続くと、食べ過ぎて太りやすくなって
しまうのです。
さらに厄介なのが、睡眠不足やストレスからくる「食べたい」という
欲求が向けられるのは、お肉やお菓子などの脂肪分や糖分が多いもの
だということ。
脂肪分や糖分は手っ取り早く脳の栄養になるので、無意識のうちに
高カロリーなものに手を出してしまいます。
④老けやすくなる
精神的に疲れていると、無意識のうちに口角が下がってどんよりした
顔になり、顔を上げる元気もなくてうつむいて背中も丸まりがち。
セロトニン不足が続くと心身共に疲労が蓄積していくため、他の人よりも
老けるのが早くなります。
特に人との会話が減ることや表情が乏しいのは大問題。表情筋が衰えて
顔がたるみ、
- シワ
- ほうれい線
の元になります。
また、背中が丸まっていると背筋や腹筋が減ってお肉のたるみに
つながる上に、上半身の重さが全て足腰にかかって足腰の痛みに
つながります。
さらに、細胞の修復や生まれ変わり(新陳代謝)を促す役割のある
睡眠の質が低下すると、肌や内臓の老化も進んでしまいます。
⑤PMSや更年期障害の悪化
女性ホルモンのエストロゲンが減少するとセロトニンも減少する
ことが指摘されています。
生理前から生理中または閉経期はエストロゲンが減少するため、
セロトニンも減少。
元からセロトニンが少ないと更年期障害やPMS(月経前症候群)で
起こるイライラや不安などが悪化する可能性があるのです。
⑥過敏性腸症候群になりやすい
原因不明なのに腹痛や腹部の不快感や下痢・便秘を繰り返す
「過敏性腸症候群(IBS)」もセロトニン不足がきっかけで起こる病気だと
言われています。
セロトニンは脳内物質のイメージがありますが、実は全ての
セロトニン
のうち90%は腸内で作られ、消化器官を正常に働かせるために使われます。
ストレスを受けるとセロトニンを分泌するように腸に指令が
いくのですが、その回数が多すぎると腸の動きが異常を起こし、
急な腹痛や下痢が引き起こされるのです。
脳内のセロトニンが足りないとストレスに上手く対処できなくなるため、
腸への指令が増えて過敏性腸症候群を引き起こすと考えられています。
⑦女子力が下がる
仕事などで疲れている時は、メイクを落とすのも面倒だし、
着る服を選ぶのもおっくうですよね。
セロトニン不足をわかりやすく言うと心身ともにストレスがたまって
いっぱいいっぱいになっている状態。
仕事や家事をこなすだけで精一杯でファッションやメイクに気を
使う余裕がないのです。
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セロトニンが不足の原因
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セロトニンは私たちの体内で合成できる物質の一つ。
それなのに不足してしまう原因としてまず挙げられるのが、
過剰なストレスを受け続けることです。
セロトニンはストレスを受ける度に消費され、
足りなくなればまた作られます。
しかし、あまりに大きなストレスを受けたりストレスが
長期化するとセロトニンの合成が間に合わなくなります。
セロトニンが足りないとイライラしたり落ち込みやすくなり、
さらにたくさんのセロトニンが必要になってどんどん不足して
いくのです。
その他に、セロトニン不足を引き起こす大きな原因として
考えられているのが以下の3つのもの。
- 慢性的な運動不足
- 太陽を浴びていない(日中あまり外に出ない)
- 栄養が偏ってセロトニンの材料が足りない(栄養不足)
ひとことで言えば生活習慣の乱れです。
現代人は何かと忙しく生活習慣が乱れやすい上に、
仕事や人間関係でストレスをためやすい状態にあります。
がんばっている人ほどセロトニン不足になりやすいので
気をつけましょう。
セロトニンは食べ物から摂取することはできませんが、
セロトニンを体内で作るのに必要な食べ物を日々の食事のなかで
摂ることが大切であると言われています。
今回はセロトニンを作るのに必要な栄養素を含んだ食べ物や、
セロトニン生成のために意識したい生活習慣などをご紹介します。
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セロトニンを含む食べ物はない
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実は、「セロトニン」という物質が摂れる食べ物はありません。
セロトニンは脳内や腸などの体内で作られる物質で、
ビタミンCや食物繊維のような栄養成分ではありません。
体内でセロトニンの合成に必要な栄養素を食べ物から摂り、
セロトニンの不足を防ぐことが大切であると言われています。
ただ、セロトニンは、単純に合成の要素となる栄養素を
摂っただけでは、身体への働きが期待できないとされます。
セロトニンの合成に必要だとされる栄養素が不足しないように
するだけでなく、生活習慣まで意識することが大切だといわれています。
〈セロトニンの増え過ぎは危険?〉
セロトニンは普段の生活で増えすぎることはないと言われていますが、
セロトニンの働きや生成をサポートするサプリメントや薬を摂取
している場合は、まれにセロトニンが増えすぎることがあるとされます。
セロトニンが増えると「セロトニン症候群」となり、発熱や下痢、
興奮などの身体の変化が現れることもあると言われています。
サプリメントや薬の服用をされている方は1日の摂取量を必ず守り、
セロトニンの合成に必要とされる食べ物ばかりに偏らないようにしましょう。
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セロトニンの合成に必要な食べもの
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セロトニンと食事には密接な関係があります。 その理由は、
- セロトニンの原料であるトリプトファンは、食べものから摂取する
必要がある - 不規則な食事や無理なダイエットで、栄養が不足すると、
セロトニンの材料が不足する。 - セロトニンを増やすにはリズム運動が有効で、その中には、
食事の時に咀嚼(そしゃく=かむこと)が有効。
- トリプトファンを脳へ送るには、「腸内環境を整えること」が非常に
重要で、腸内環境を整えるには、食事から。
セロトニンの合成には、「トリプトファン」以外にも「ビタミンB6」
「マグネシウム」「ナイアシン」「鉄分」が材料になります。
「トリプトファン」必須アミノ酸の一種。食物から摂取する必要がある。
「ビタミンB6」 たんぱく質やアミノ酸の合成や分解を補助する
補酵素の働きを持つ。
「マグネシウム」 ストレス時のカルシウムの働きを抑制し、血管を拡張
したり体を正常な状態に戻す働きをする。
「ナイアシン」 別名ビタミンB3、ビタミンの一種です。
ナイアシンは直接セロトニンの合成に利用されるわけ
ではありませんが、セロトニンと同じく、トリプトファ
ンを原材料として合成される物質であるため、セロトニ
ンとナイアシンは原材料を共有。
「鉄分」神経伝達物質に必要な酵素のはたらきを助ける。
これらの栄養素は身近な食材から摂取することのできる成分です。
■トリプトファン(必須アミノ酸の一種)を含む食べ物
- 大豆製品類 豆腐、納豆、しょうゆ、味噌など
- ナッツ類、種子類 アーモンド・ひまわりの種、ゴマなど
- 穀類 そば、小麦胚芽
- 果物 バナナ
- 魚類 かずのこ、すじこ、カツオ、マグロ、たたみいわし、サバ、
ニシン、削り節 - 鶏卵・卵白
- 乳製品 牛乳、チーズ、ヨーグルトなど(とりすぎに注意しましょう)
- 肉類 (とりすぎに注意しましょう)
■ビタミンB6を含む食べ物
- 野菜類 とうがらし、 生姜粉、バジル、パセリ、玉ねぎ、にんにく、
かぶ、ケール、抹茶 - 果物類 バナナ、
- 穀類 米・米ぬか
- 魚類 サンマ、マグロ、カツオ、白さけ、カタクチイワシ、アジ
- 肉類 とりむね
- 大豆類 豆腐
- ナッツ種子類 ピスタチオ、ゴマ
■マグネシウムを含む食べ物
- 海藻類 わかめ、ひじき、あおさ、昆布
- 野菜類 枝豆、オクラ、シソ、パセリ、切り干し大根
- 大豆類 大豆、納豆、きな粉、油揚げ
- ナッツ、種子類 アーモンド、ひまわりの種、カシュー、ゴマ
- 穀類 玄米、そば
■ナイアシンを含む食べ物(他トリプトファンと共有)
- きのこ類
- 緑黄色野菜
■鉄分を含む食べ物
- 魚類 あゆ、いわし、煮干し、干しエビなど
- 貝類 しじみ、赤貝、北寄貝、あさりなど
- 海藻類 青のり、ひじきなど
- 肉類 豚ハツ、鶏ハツ、牛肉(せんまい)など
- レバー
- 豆類 大豆、小豆、味噌など
炭水化物をトリプトファンが含まれるタンパク質と一緒に摂取すると、
トリプトファンをより多く脳内へ運べるとされています。
炭水化物は、ご飯などの穀類、パンやうどんなどの麺類、
じゃがいもなどのイモ類に豊富に含まれています。
そのため、昨今流行りの炭水化物抜きダイエットや、低炭水化物
ダイエットなどでは炭水化物の不足から、脳内へ運ばれる
トリプトファンの量が減少する可能性があります。
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腸内細菌の重要性
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トリプトファンの分解に必要なビタミンB6は腸内細菌によって
食品中から取り出され、合成されています。
そのため、腸内環境が悪く、腸内細菌が少ない状態では、いくら
ビタミンB6が豊富な食材やサプリメントでビタミンやミネラルを
摂取してもビタミンは取り出されにくくなります。
セロトニンなどの分泌に必要不可欠な鉄分もまた、腸内細菌によって
体が吸収しやすい形に還元されることが確認されています。
このように、腸内細菌はトリプトファンの分解や、セロトニンの合成に
関与しており、腸内細菌が生息しやすい腸内環境を整えることと、
そのためにはバランスの良い食生活を送ることや、プロバイオティクス
などの食品を食事に取り入れていくことが重要になってきます。
セロトニンの材料となる、『トリプトファン』と『ビタミンB6』や
『鉄分』、そしてトリプトファンの分解やビタミンB6の合成をサポート
する『腸内細菌』。
これら3つの要素を全て兼ね備えた食事こそが、セロトニンを増やすための
ベストな食生活であると言えます。
実は、豆類や穀類、漬物(植物性乳酸菌を含む)が豊富な日本の伝統的な
『和食』はそうした要素をクリアできる、バランスの取れた食事だったのですが、現代の多くの日本人は、質素な和食を好んで食べる機会が激減してしまい、欧米人のような、肉類や加工食品中心の食事が好まれています。
そうした偏った食生活では、セロトニンを作るために必要なトリプトファン
が不足しがちで、腸内環境も悪化してビタミンB6の合成も滞りやすく
なります。
トリプトファンだけを摂取していればセロトニンが増える
というわけでもありません。食事から摂取する栄養素は、
できるだけバランスよく、炭水化物や脂質、ミネラルやビタミ類も含め、
多種多様なものを摂取するようにしましょう。
というのも、トリプトファンが単独でセロトニンを作るわけではなく、
ビタミンやミネラルの助けを借りてセロトニンを合成するからです。
また、トリプトファンが脳内へ到達するには、炭水化物などを摂取すると
効率がよくなります。
たんぱく質と炭水化物は消化の面からすると、たんぱく質をとってから、
炭水化物を摂取する順番が良いでしょう。
脳内でセロトニンを増やすには、その材料となるトリプトファンの代謝物を
脳内へと運ぶ必要があり、より多くの材料を運ぶためには、
腸内環境を整える必要があります。
腸内では無数の腸内細菌が腸内フローラを形成しており、
腸内細菌と腸内細菌が作り出す酵素類がトリプトファンの
分解に深く関わっているのです。
腸内環境を整えると腸内細菌の活動も活性化するため、
セロトニンの材料が沢山脳へ運ばれやすくなります。
セロトニンは体内で合成することができないため、
できれば毎日食べ物から摂取することが重要でしたね。
トリプトファンとビタミンB6、マグネシウム、ナイアシンは
は大切ですが、心身の健康にはバランスのよい食事が基本となります。
これらの栄養素だけに偏ることなく、さまざまな栄養素を万遍なく
摂取し、これらの食品をバランスよく食生活へ取り入れていきましょう。
幸せホルモンが出やすい環境づくりをしていきましょう。
今回はセロトニンが私たちのカラダに及ぼす影響を
理解していただきました。
セロトニン不足の3つの原因のうち、
セロトニンの合成に必要だとされる栄養素についてお伝えしました。
次回、食事とともに意識して行う生活習慣について
詳しくお伝えいたしますね。
では、お楽しみになさってください。
素敵な1日を!
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